東南アジアの大都市であるタイの首都「バンコク」。バンコクおよびその周辺には多くの日系企業があります。中心となるのは製造業。それ以外にも商社、金融、IT、物流、サービス業など様々が業種があります。
毎年数百に及ぶ企業が新たにタイに事業拠点を設けており、それに伴い、現地に駐在する人材を募集する求人案件も年々増えています。
タイ駐在で募集の多いポジション
タイ駐在の求人でもやはり多いのが製造業関連です。「海外営業」「工場の管理監督、指導、品質管理業務」「工場の生産責任者」「工場生産ラインの設備・建設」「経理職などの管理部門」といったポジションになります。また、進出する日系企業が増えるとともに、社内インフラとなる基幹システム(ERP)構築の案件も発生しています。
製造業の営業職
製造業の営業職は、現地の日系企業を中心に現地企業、外資企業などを含めてセールスを行い、製品(部品)を販売する仕事になります。例えば、海外既存顧客への営業、新規販路の開拓(日系企業及び現地企業)、仕様打合せ、価格交渉、アフターフォロー、日本本社へのレポーティングあたりが担当業務となってきます。
製造業の生産管理
海外工場での生産技術全般の管理・指導業務が担当となってきます。生産管理の業務としては、生産計画の立案、進捗管理、納期管理、改善業務など。
海外工場の管理職(工場長、工場長候補など)
品質管理、生産技術等を含む、工場マネジメントを担当。例えば、タイでの海外現地採用人材マネジメント、経営計画立案/収益管理、製造現場(品質、原価、在庫等)における管理、日本本社へのレポート業務など。
経理/財務担当
海外販売・製造拠点の経理業務担当。例えば、月次、年次、連結を含む決算業務、原価計算、資金管理、連結決算、日本へのレポーティング。経営分析、財務分析等を含む管理会計業務など。
IT(システム構築)
日系企業のタイ進出が増えれば増えるほど、ITインフラ構築の案件が増えてきます。具体的には、財務管理/人事管理/物流・在庫管理などのシステム構築(ERP)の案件、社内ネットワーク構築など。また、タイ進出している日系企業のIT全般のサポート業務も発生しています。
タイ駐在の求人を探す
タイ駐在と言った海外求人を探す場合、2つのアプローチがあります。1つ目は、自分でネットを活用して片っ端から、タイに進出している企業のHPをチェックしたり、転職サイトの「リクナビNEXT」を使って、タイの求人が出ていないかチェックするといった方法です。
もう一つは、転職エージェントを利用する方法です。国内の転職では、ほとんどの方がすでに転職エージェントを使っているかと思いますが、海外の求人を探す際にも、利用することができます。
転職エージェントは、表には出てこない非公開扱いとなっっている海外求人も多数持っているので、自分で調べきれない情報を紹介してもらうといいでしょう。また、履歴書の添削や面接対策など、転職活動全般をサポートしてくれるので、心強い味方となってくれます。
この両方のアプローチを同時に進めていけば、情報が入ってくるので、そこから自分にあった求人にアプローチしてください。
タイ駐在の求人案件を扱っている転職エージェント
下記の大手転職エージェントであれば、取り扱い実績が豊富なので、あなたの条件に合った案件を色々と紹介してもらえますよ。
リクルートエージェント
リクルートが運営する国内最大手の転職エージェントです。リクルートエージェントなら、海外展開しているグローバル企業ともコネクションがあるので、海外駐在の求人についても多数保有しています。
転職成功実績No.1。リクルートエージェントだけで扱っている案件もあったりするので、タイ駐在など海外駐在で考えている方は、いろいろ求人を紹介してもらうといいでしょう。
JAC Recruitment
海外転職、海外事業関連の転職に強いエージェントです。JAC Recruitment Groupはアジアで最大級のネットワークを持つ人材紹介会社のひとつで、タイなど世界10カ国に拠点を持っています。
各国のJACは密に情報交換を行っているため、日本にいながら現地に根づいた鮮度の高い転職情報を取得することが可能です。
世界10カ国に広がるネットワークを活かしたグローバルな転職サポートが特徴で、日本法人がある企業での海外勤務、海外駐在案件を扱っています。
タイの駐在案件としては、海外営業、IT関連職、設備施工管理、生産管理、品質(QA・QC)責任者候補、海外工場長候補、海外事業投資担当などのポジションの求人があります。
英文レジュメの無料添削や英語面接対策などのサービスもあるので、タイ駐在など海外転職を考えている方は要チェックです。
パソナキャリア
上記で紹介した「リクルートエージェント」「JAC Recruitment」よりは、海外駐在の求人数は減りますが、パソナキャリアでもタイなどの海外駐在案件を保有しています。海外関連の求人は、非公開求人を含めると約300ほど。海外営業、エンジニア職、生産管理・品質管理などといった案件を扱っています。
未経験でもチャンスはある?
海外勤務・海外駐在の場合、専門分野での知識、経験、語学力などハイスペックな人材が求められる傾向がありますが、タイの駐在案件は、ほかの国よりも求人が多くあるので、海外営業支援など、職種未経験者OKの求人もあったりします。
また、若手で、業界や業種に問わず高いポテンシャルがある方、何か武器が一つでもある方、リーダシップや主体性を持って仕事ができる方なら、ポテンシャルも考慮しての採用チャンスもあります。
ただ、こういった求人はなかなか表には出てこないので、詳しくは転職エージェントに直接聞いてみてください。
さいごに
東南アジアのビジネス拠点となっている、タイ・バンコク。バンコクにも多くの在留邦人がいて、その数は約5万人とも言われています。これは、中国・上海に次ぐ、アジア第2位。それだけ、ここタイ・バンコクには、日本人にも働くチャンスがあります。
今後、ASEAN経済統合が進んでいく流れになっているので、ますますタイ、とりわけバンコクはより重要な海外拠点となることが考えられます。
日本を飛び出して、海外で働きたいと考えている方は、日本人に人気のタイ・バンコクで、新しいキャリアを歩みもの面白いかもしれませんね。
(参考)タイ市場について
2010年~2014年までに進出した日系企業は、製造業334社に対し、サービス業530社と、サービス業の進出も顕著となっています。最近では、大企業だけでなく、中小企業のタイ進出の動きも活発になっています。(情報:「タイ日系企業進出動向調査 2014 年」)
国・地域別日系企業拠点数でタイは世界4位、在留邦人数は世界4位であり、いまなお増えていることから、タイは日本企業に根強い人気がある市場といえます。(情報:海外在留邦人数調査統計(平成30年要約版))
日系企業進出状況
バンコク日本人商工会議所会員数は1,772社(2019年4月1日時点)。
なお、商務省に登録されている日系企業は、休業中や撤退した企業を含むものの、累計で8,890社(2014年11月時点)に上る。
進出企業:三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠、双日、トヨタ自動車、日産自動車、日立、キヤノン、新日鉄住金、JFEスチール、東レ、NTTコミュニケーションズなど