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海外で働くといった選択肢を見た場合、一番チャンスが多いのが中国になります。実際、日本から飛び出して、新たな働く環境として「中国」を選ぶ人も増えています。
その一方で、「中国で働いてみたいけれど、具体的なことは分からない」という方も結構いるのではないでしょうか。
そこでここではそんな疑問に解決すべく、中国で働くには?日本人向けの仕事・求人の探し方、メリット・デメリット等を紹介していきたいと思います。
経済発展が続く中国にはビジネスチャンスがある
まずは、今中国がどのような経済状況で、今後どれくらい伸びる可能性があるか見ていきたいと思います。
そのための指標として国民一人当たりのGDPの数字を見ていきたいと思います。
上記は、アメリカ、日本、中国の国民一人当たりのGDPを比較したグラフになります。
中国の経済発展が続いてはいますが、国民一人当たりのGDPを見てみると、アメリカや日本とはまだまだ差があります。また、中国のまちを見てみても、特に中国の地方に行けば、まだまだ発展の余地が十分にあります。
このように、アメリカ、日本などとは異なり、中国には改善する点が多く残されており、それが今後の発展につながっていくことでしょう。
これはビジネスの面からみると、まだまだ中国でお金を稼げるネタが多く存在することを意味します。
多くの日本企業が中国に進出している
そんな中国には、多くの日本企業が進出を加速し、中国でのビジネスチャンスを虎視眈々と狙っています。
中国の日系企業数について
外務省が発表している海外在留邦人数調査統計(平成30年)によると、海外にある日系企業拠点数は中国が32,349拠点でダントツの1位。割合としては全体の43%を占めています。
この数字を多いと思うか少ないと思うかは人次第ですが、普通に考えてみると実際かなりの数の日本企業が中国に進出していることがわかります。
中国進出は上海だけに限らず、大連、北京、青島、天津等にも広がっている
さらに都市別にまで詳しく見ていきます。日系企業の拠点数が多い都市は以下の通りになります。
世界全体で見ても、上海はダントツで1位。中国の大連、北京、青島、天津といった都市もトップ10に入ってきています。さらにトップ20まで見てみると、蘇州や広州もランキングされています。
これを見れば、中国への進出が進んでいるのかが感覚的に掴めるのではないでしょか。
順位 | 都市名 | 日系企業拠点数 |
---|---|---|
1位 | 上海 | 10,043 |
2位 | バンコク | 1,935 |
3位 | 大連 | 1,550 |
4位 | 香港 | 1,378 |
5位 | シンガポール | 1,199 |
6位 | 北京 | 984 |
7位 | 青島 | 974 |
8位 | ロサンゼルス都市圏 | 832 |
9位 | ホーチミン | 801 |
10位 | 天津 | 691 |
出所:外務省「海外在留邦人数調査統計(平成30年版)」
このように日本企業も中国ビジネスを重要視し、そこにお金を投資していることがわかります。そんな中国では、日本人においてもいろんな仕事のチャンスがあります。
中国で働きたい日本人が、中国で働く2つの方法
中国で働きたい日本人が、中国で働くとしては、以下の2つの方法があります。
- 海外駐在員として中国に赴任する
- 現地採用で現地企業に就職・転職する
中国で働きたいといった場合、まず目指してみたいのが、海外駐在員として中国に赴任する方法です。
海外駐在員は、日本企業の日本法人に採用されて、会社命令で海外拠点に赴任している人のことです。任期は、会社によって変わってきますが、大体3年から5年が一般的となっています。
海外駐在員は、日本採用なので給料のベースは日本基準。さらに手厚い手当があったり、住むところも会社が準備してくれたりと、日本にいる時より好条件で働くことができます。
ただ、海外駐在員になるには、ハードルもありますね。特に大手のグローバル企業に入るのは結構大変だったりします。そんな際は、中国に拠点を構える中小企業に目を向けてみるのもありかもしれませんね。
あと、現地企業と直接雇用契約を結ぶ現地採用で働く方法もあります。
上海など中国現地には、日本人向けの現地採用の求人も結構あったりします。なかには語学不問の求人も存在しているため、海外駐在と比べると転職ハードルはかなり下がります。
まずは語学留学で中国に入って、1年ぐらい中国語を勉強してから、現地採用として中国で働くという人も結構います。
なお、現地採用の場合、現地の基準で給与が支払われ、家賃や通勤についても自分でやりくりする必要があります。そのため、海外駐在員とは条件面、待遇面で大きな差があったりもします。
日本人向けの仕事・求人の探し方について
中国に多い日本人向けの求人は?
日本人が中国で働く場合、大体は中国進出している日系企業で仕事をすることになります。
日系企業についてですが、以前は、製造業・メーカーがその大半を占めていましたが、国内市場の成熟に伴い、様々な日系企業が進出し、現在では就職先も多様化しています。
求人企業の割合としては、メーカーが5割以上を占め、その他貿易商社、物流、サービス、IT、コンサルティングなどがあります。
求人募集のポジションでは、営業職が求人募集の大半を占める。その他、IT(ITエンジニア、ブリッジSEなど)、生産管理、品質管理、工場管理、財務、購買職などでも日本人人材が必要とされています。
日本人向け求人の探し方について
中国の求人など、海外関連の求人は、日本国内の求人と違い、自分ではなかなか探しにくいのが現状です。
なぜなら、海外求人のほとんどが転職エージェントの非公開求人として扱われているからです。よって、中国の仕事を探す際、転職エージェントへの登録が必須となってきます。
なお、海外駐在、海外勤務の求人を扱っている転職エージェントとしては、「リクルートエージェント」があります。実際、海外勤務の経験がある私が利用していた転職エージェントでもあります。
リクルートエージェントでは、海外展開しているグローバル企業ともコネクションがあるので、海外求人についても多数保有していますよ。海外に精通した専任のキャリアアドバイザーもいるので一度相談してみるといいでしょう。
【参考】 リクルートエージェント
あと、直接、中国の現地に行って現地採用として働くことを考えている方は、現地の転職エージェントにも登録しておくといいでしょう。現地のエージェントであれば、採用企業の情報も入ってきやすく、最新情報も受け取りやすいかと思います。
【参考】中国にある転職エージェント
中国で働くメリットについて
今後さらに発展し、日本にとってもさらに重要度が増す中国で働くことは、大きなメリットではないでしょうか。中国でのキャリアは、今後の自身のキャリアにおいても選択の幅を広げることとなるでしょう。
日本では経験できないことも中国の仕事では経験できることはあるかと思います。中国の拠点で働く日本人は会社の中でも一部の人材です。その分大きな仕事を任せられるチャンスも多いかと思います。
人口が減っていき、経済的にも大きな発展が見込めない日本では、どうしても守りの姿勢になりがちですが、ここ中国では、まだ経済的に成長余力があり、平均所得も上昇しているマーケットです。なので、日本のようなシェアの取り合い、パイの取り合いではなく、攻めの姿勢でビジネスができるのでは。
これからの中国の発展に乗って、ビジネスを進めていけるので、そういった楽しさも味わえるのではないでしょうか。
海外駐在なら手当も充実、日本の年収の約1.5倍に!?
海外駐在員として中国に赴任するとなった場合、日本で働いている時よりも年収が増えるかと思います。海外に駐在員として派遣されると、「海外勤務手当」「ハードシップ手当」「単身赴任手当」「住宅手当」など各種手当がついてきます。
日本の給与とは別に現地の住居費なども会社持ち。さらに条件によっては運転手付きであてがわれ、接待費など経費も落とせたりと、日本にいるときより金銭的に余裕がある生活を送れる場合が多いです。
年収は日本での金額よりも1.5倍程度が相場とされている。加えて、海外で支払う税金は企業が負担する場合が多いため、手取りとしては1.8倍まで跳ね上がるケースも。
このように海外駐在員になると待遇も恵まれ、あなたのキャリアにも箔がつくので、目指してみる価値があるのではないでしょうか。
気になる中国で働くリスクやデメリットについて
中国との文化の違いに馴染めない日本人もいる
中国では思っていることを直接的に表現したり、納期も日本ほど厳守されなかったりで、ギャップに馴染めない人もいるようです。察する文化である日本では、言いにくい内容は遠回しに表現されることが多々ありますが、「言わないと伝わらない」と考える中国ではストレートに表現されます。
また、日本では残業をしても担当業務はきっちり終わらせてから帰る風潮があるものの、中国では仕事よりもプライベートを優先する人が多いです。働き方に対する考え方の違いによる管理のしにくさに戸惑う日本人もいたりします。
大事なのは「郷に入っては郷に従え」の精神です。仕事をするにあたっては、一緒に働いている中国人と進めていくことになります。お互いの文化や働き方に違いはあるかもしれないですが、違いを拒否するのではなく、受け入れ、お互いを尊重できるそんなマインドが必要ですね。
帰国したときは価値観の違いに注意
中国の文化に慣れてしまっていると赴任期間が終わったときや一時帰国をした際に、日本で価値観の違いが生じることがあります。日本に帰ってから、逆に日本に馴染めない、日本式の考え方、行動パターンに違和感を感じるといった人も。
しかし、海外を経験した人であれば、多様性の中で生活してきたはずです。一つの考え方に固執するのではなく、多様性を尊重し、柔軟な頭で考えてみるといいのではないでしょうか。物事は何事も考え方次第で景色が変わります。
中国の生活環境について
海外駐在員の場合、会社が準備したアパートメントで生活することになります。会社によっては、日本にいる時よりかなりいい待遇でサービスアパートメントに住めます。
中国のなかでも、多くの日本人が住んでいる上海を例に話をしていくと、子どもの学校という面でも、上海には日本人学校が虹橋校、浦東校、高等部と揃っています。それだけ家族帯同で来ているケースも結構あるということですね。
上海の虹橋・古北エリアには、多くの日本食レストラン、日本食材店などが並び、中国語があまり話せない人でも普通に生活できたりします。このエリアを歩いていたら日本人とよく出会しますし、日本にいる時とあまり変わらない感覚になるぐらいです。
上海には、虹橋・古北の日本人街だけでなくさらに西に行った龍柏には韓国人街があったり、上海中心部には租界と呼ばれる旧外国人居留地があったりと、いろんなエリアがあります。上海は、新しいもの好きでオープンな雰囲気、発展中の活気を味わうことができる都市です。
ここでは上海を例に話をしてみましたが、日本人が多く住んでいる都市では、日本人学校、日本人向けサービスを提供している店舗や会社、そして日本人コミュニティがあります。こんな感じで楽しみ方はたくさんあります。
あと、中国に来たら、日本人のところでいつも行動するのではなく、ぜひ外に出てみてください。そして中国人や他の国の人とも交流してみてください。そうすれば、より充実した中国生活が送れるかと思いますよ。
さいごに
今や働くところは、日本国内だけに限らず、中国など海外にも広がっています。仕事をするのであれば、チャンスが多いところの方が当然、お金儲けのチャンスも広がります。日本のメディアを見てみると、嫌中の偏った情報が日々流れていますが、一方では日本企業の中国進出は加速していて、世界全体で見てみても半数弱が中国です。
メディアに踊らされるのではなく、今起こっていることを自分の頭で考えてみることが大事です。実際に中国を見てみるといいでしょう。
誰がどう言おうが、今後においても中国の影響力は大きくなるかと思います。ビジネスにおいても、中国への依存度が上がることになるでしょう。
それであれば、生ぬるい日本から飛び出し、いろんな刺激を受けることができる中国で、自分のキャリアを築くのもいいかもしれませんね。