海外で働く方法は、自分から積極的にできるものとしては、現地採用があります。一方、働きながら学ぶことを目的とした場合は、ワーキングホリデーという制度を使って、海外生活を送ることもできます。
基本的にワーキングホリデーとは、その名の通り、休暇を目的としていますので、正社員として働けるわけではありませんが、「まずは海外で少しでもいいから働いてみたい!」という方にはおすすめです。
今回は、この2つを徹底比較しますので、自分に合った方はどちらか考えてみてください。
ワーキングホリデーはどんなもの?
目的と協定国や年齢制限
ワーキングホリデーとは、2国間の協定に基づいて、青年が異なる文化の中で、休暇を楽しみつつ、その国の滞在資金を得るために、一定の条件のもと就労することを認めるビザを発給する特別な制度です。
ビザの取り決めや申請にかかる条件は、相手国によって様々ですので、各国大使館や外務省のサイトをチェックすることが必要となります。
協定のある国は、互いに青年を1年派遣します。青年とは、18歳からおよそ30歳までで、年齢制限も国によって違うので、行きたい国の年齢制限に引っかかっていないかをまずチェックしましょう。
よく自分探しの旅に出るという方がいますが、まさにワーキングホリデーは、その格好の場となっています。もし正社員として就労してしまうと、いくら海外といえど満足に余暇を楽しむことはできないかもしれません。
これも自分の時間の使い方次第ですが、まだ人生模索中の方には、ワーキングホリデーが合っていると思います。
今現在、日本と協定を結んでいるのは、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、台湾(中華民国)、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリーの17ヵ国です。
以前は英語圏の国が多かったのですが、最近は東欧や中国語圏の国も増えましたので、選択の余地は広がっています。
ワーキングホリデーでどのようなことが体験できるのか
ワーキングホリデーでは、就労形態はアルバイトです。あくまで観光目的でのビザ発給ですので、正社員などの就労形態はできません。アルバイトは日本語新聞や求人広告雑誌、ウェブなどから探します。
国によってもできる仕事は異なりますが、農作業、お土産屋さんなどの観光地でのアルバイト、飲食店の店員などが一般的です。特に日本食レストランなどでは、就労しやすいという事情もあります。
アルバイトだけでなく、スポーツやボランティアに精を出す人もいます。日本よりもボランティアが盛んな国ですと、自分の関心のある分野がすぐに見つかるでしょう。
特に英語圏の国ではボランティアやチャリティーの概念が浸透しているので、ボランティアをやりたい方は英語圏を重点的に探してみると良いです。
また、アルバイトの合間を縫って語学学校に通う人もいます。むしろこちらがメインで来ている方もいるでしょう。特に英語圏の国では、国際的に通用する英語の習得を目的として、学校に通う方が多いです。
今は様々な地域や国と協定を結んでいるので、選択肢も増えています。
海外就職とワーキングホリデー、それぞれの違い
海外就職とワーキングホリデーのメリットとデメリット
ここまで、ワーキングホリデーのことについて述べてきましたので、次に海外就職(現地採用)とワーキングホリデーの違いについて述べます。
まず、現地採用という形で働くのは、就労形態としては契約社員もしくは正社員です。正社員でありながらも、建前上1年ずつ面談をして契約更新する場合もありますが、正社員ならば、月々の給与だけでなく各種手当やボーナスも支給されます。この就労形態が最も大きな違いです。
また、ワーキングホリデーは特別なビザを発給され、観光を目的としていますが、現地採用で働く場合は就労ビザを取得し、ワークパーミット(就労許可証)の発給を受けなければいけません。
その他、移民局などへの登録などもありますし、税金も払わなければいけません。行政上でもあくまでその土地に住む外国籍の住人として扱われます。
それぞれのメリットとデメリットですが、メリットとしては現地採用で働くと、本格的に仕事ができるので安定した収入が得られます。
また、職歴としてカウントできるので、転職の際も有利ですし、帰国後は語学が達者な人と見られることもありますので、海外と接点のある仕事に転職しやすいです。国も好きなところどこでも選べます。
デメリットは、会社員として働くので、土日などの休日くらいしかその国の文化を味わったり、観光に行けない点です。ですがこれも、自分の時間の作り方次第です。また、駐在員と現地スタッフの板挟みになる方もいます。
ワーキングホリデーのメリットは、気軽に働けるという点と、あくまで観光目的なので悠々自適に生活できるという点です。自分探しのためにしっかりと時間が確保できます。
デメリットとしては、職歴にはあまりカウントされないようですので、転職する場合はなぜワーキングホリデーに行ったかを十分説明する必要があります。
年齢制限も30歳くらいまでなので、30歳を超えてしまった場合は行くことができません。国も協定のある国にしかいけません。また、アルバイトでの生活ですので、日本から大きな資金を持ってくる必要があります。
自分に合った働き方を探そう!
自分にしかできない働き方や、生活の仕方はあるでしょう。もちろんどちらも良い点がありますので、少しだけ働く体験がしたいという方は、まずワーキングホリデーでお試しするということも可能です。
ワーキングホリデーは政府の協定によってつくられた制度ですので、安心して利用できるという点もありますが、しっかりとしたエージェント探しが必要です。手厚いサポートを受けられるところを選びましょう。
さいごに
ワーキングホリデーの良さは、就労よりも観光や休暇を目的としているので、アルバイトをする程度で良いという方は、まずワーキングホリデーに申請してみると良いでしょう。
もちろん、いきなり現地採用を狙う方もいますので、どちらが優れているとは言えません。海外へ行く目的、就労形態を把握した上で、自分に合う国を選びましょう。