海外で働いている日本人には、2通りの働き方があります。1つは駐在員で、日本の本社の辞令により、海外勤務を言い渡された人々です。もう1つは現地採用で、日本本社との契約はなく、現地法人との雇用契約を結んでいる人です。
同じ日本人ですが、本社採用である駐在員の待遇は、現地採用の何倍のいいことから、「できれば本社採用を目指したい」と思う方もいるでしょう。
今回は、本社採用を目指す方のための働き方を紹介したいと思います。
本社採用の魅力とは?本社採用はこんなに手厚い待遇がある!
本社採用になるメリットはどんなこと?
海外に駐在員として派遣されている方は、日本の本社と雇用契約を結んでいます。ですので、籍自体は本社にあるため、社会保険などは日本側が負担してくれます。これは何と言っても海外で働く日本人にとって魅力的なものです。
例えば、現地採用の人は、一時帰国した際に病院にかかると、全額実費を負担しなくてはなりません。なぜなら、日本の本社が保険者となっていないからです。
長期にわたって日本を離れる際は、住民票を抜くのが普通ですが、そうすると自動的に国民健康保険からも外れます。よって、今まで3割負担で済んでいた医療費が、全額負担になるのです。
もちろん、海外旅行保険に加入していますが、日本では使用できないので、帰国時の医療費には頭を抱えることになるでしょう。
また、駐在員は自分の意思で海外に来たわけではありませんので、住居や子弟の教育に関する費用も手厚いものがあります。場所によっては女性の一人歩きが危険なため、運転手をつけてくれるところもあります。
給料も、日本の物と現地での生活分の2本立てですので、贅沢をしなければ貯金がどんどん貯まります。ですから、本社採用というのは大変魅力的に見えるのです。
本社採用を目指す近道はあるのか
手っ取り早く本社採用を目指すためには、まず求人欄に「本社採用へのチャンスあり」と描かれているところに絞って応募することです。大半の現地法人では、よほどのことがないと本社採用へ繋げることはありません。
採用されて働き出してからも、本社採用されないだろうかと期待していていても、あまり意味がないので、初めから椅子が用意されているところに的を絞るのが良いでしょう。
本社採用(駐在員)の日本人と、現地採用とでは、待遇が違うことをお話ししましたが、本社採用にすると莫大なお金が、その人に使われることになるのです。ですから、本社採用にしてでも、その人を繋ぎ止めておきたい!という理由が会社にあるはずです。
海外展開を急速に拡大している、なかなか現地採用の人が定着してくれないので、駐在員とのコミュニケーションがうまく取れていないなどの問題があるので、駐在員待遇にする企業があるのでしょう。
どうすれば本社採用にしてもらえるのか?
現地採用から本社採用になれる確率はかなり低い!
今までの経験で、本社採用になった人に出会ったことはありますが、やはり腕の立つ方ばかりです。現地採用から本社採用になった人は、絶対に高学歴であるとか、英語がネイティブ並みとは限りません。
もちろん、頭の回転は速く、お客様目線と会社の都合の両方を瞬時に判断できるような能力を持っていますし、語学力もビジネスで通用するレベルです。一番大切なのは、本社採用や現地採用にこだわらず、泥臭い仕事をできるかどうかだと思います。
本社採用になれる人は、とても限られた優秀な成績を残す人だけですから、ぼーっとしていてはなれません。最初から本社採用だけを夢見て、今の仕事が手につかないようでは、難しいと言えます。
駐在員以上の結果を出せれば、運良く本社採用になることもある
では、どうすれば本社採用になれるのでしょうか。営業マンなら、自分の足で出向いてお客様に可愛がられるような親しみやすいキャラクターを作ったり、事務職ならば経理や法務などのスキルを磨くことが大切です。
駐在員と同等の仕事をしていても、それは現地法人にとって都合の良い人材というだけで、本社採用にしてどこの国にでも派遣したい!日本に帰国してもらって本社で働いてもらいたい!と思える人材とはなりません。
駐在員の方は、泣く泣く日本を離れていることもあるので、現地採用の方は待遇面を羨んだり妬むこともあるかもしれませんが、こういう場面こそ助ける精神が必要です。
年下の駐在員が来ることも稀ではありませんので、丁寧に現地法人での仕事のやり方などを同等の立場で教えることができれば、大変重宝されるでしょう。
さいごに
せっかくならば、駐在員として世界のいろんな国に行きたい人や、本社採用になって日本に戻っても安泰な生活をしたいという人もいるでしょう。
なかなか厳しい道のりですが、最初から本社採用を視野に入れている企業を選び、現地法人だけでなく、本社にも貢献する気持ちを持って挑めば、チャンスをつかめるかもしれません。