最近の日系企業は、中国の物価上昇や賃金の上昇も相まって、中国から撤退し、より人件費の安いベトナムやカンボジアなどに生産拠点を移しているところもあります。
しかし、北京や上海などの大都市を除けば、日本よりまだまだ物価が安いのは現実です。また、中国は急成長を遂げていますので、変わっていく経済成長の様を見てみたいという方も多いでしょう。
しかし、実際、中国語は必須なのか。できなくても仕事はあるのかをご紹介いたします。
中国語ができれば職の幅も広がる?
HSK6級を持っていれば優遇されることもある
どんな仕事でもそうですが、外国人を雇うということは、自国民の雇用の機会を奪っていることとも同義ですので、それなりに有能な方でないといけません。
会社によっては、全く中国語ができなくても仕事ができるところもありますが、できるかできないかで言えば、中国語ができた方が、職の幅は広がるでしょう。
中国の総人口は、13億人を超えていますが、大学などに進学して英語が流暢に話せる人は限られてきます。若い方なら英語が通じるでしょうが、日本と同じくらい英語が理解されないと思っていた方が無難です。
ですので、中国人を相手にする仕事をするならば、HSK(漢語水平考試)6級を持っていれば優遇されます。これは、だいたい5000語の中国語を理解し、自分の意見を中国語で言えるレベルです。
普通、日本人で現地採用の場合は、日本円換算にして15〜20万円程度の給料が支払われますが、中国語ができればプラスαで少しお給料がアップすることもあります。
1元がおよそ16円で、贅沢をしなくても1LDKの部屋に住めます。学生時代から中国に居た方や、今後も中国語を磨きたい方にとっては、魅力ある生活ができるでしょう。
英語よりも中国語の方が優遇される
これは、先でも少し触れましたが、英語を解する中国の方は、まだそれほど多いとは言えません。確かに人口も多いので、日本と比べれば多いかもしれませんが、やはり大卒のエリートの方や国外と多くの取引をしている経営者などに限られます。
香港は歴史的に英国の統治に置かれていましたので、広東語と同じく英語も通じやすいですが、大陸部ではさほど理解されないと思っていた方が良いです。ですので、TOEICなどの資格を持っていても参考にされるとは限りません。
もちろん、社内の人間同士でお互いに日本語や中国語が通じない時は、英語が役に立ちます。しかし、あくまで英語よりも中国語の能力が重要視されますので、まだ時間があるという方は、中国語の勉強に力を入れが方が賢明と言えます。
日本語で働ける場所もあるのは本当か
カスタマーセンターなどは日本語オンリーでも働ける
例えばパソコンの調子がおかしい時などは、カスタマーセンターに電話して、オペレーターに操作方法を教えてもらうでしょう。そのオペレーターは、実は日本ではなく、中国の大連などから喋っているのです。電話が国外へ転送され、より物価と人件費の安い中国で、日本人が対応しているのです。
このような会社では、働いている人の大半が日本人です。また、住所や氏名などをパソコンに入力していく事務作業なども、日本人が行っており、日本の会社と変わらない風景が見られます。
こうした企業では、全く英語や中国語を使いませんので、はっきり言えば日本語だけで働けます。お客様は日本人ですので、必要なのは、日本語とコミュニケーション能力です。このような会社で働く人の中には、中国語を勉強して、もっと給与のいい会社で働きたいと思っている方もいます。
しかし、人件費が上がり続ける中国では、日本人の賃金も伸び悩んでいるのが現実です。日本語だけで働ける環境がこのまま続くのかどうか、不安に思っている方も多いでしょう。
外国語は最低でも1つは身につけておくべきか
若い方が特に憧れる海外就職ですが、やはり英語や現地語など必要とされている言語は身につけておくに越したことはありません。
もちろん、日本語だけで働ける会社もありますし、そのような場所で日本人のお客様だけを相手にする仕事でも、それなりの生活ができます。
しかし、仮に日本語ができる現地の方いれば、途端に場所を奪われることになります。ですが、これは日本人が奪っていたとも思える雇用状態を、現地の人が取り返したという見方もできます。
日本は未だに内需で経済がなんとか回っていますので、日本語だけを話していれば仕事ができる環境でしたが、これから中国などで働きたいという方は、最低でも基本的な中国語力がある方が良いでしょう。
中国語は英語に文法が似ていますので、英語が得意な方は、覚えやすいですし、漢字圏なので修得しやすいです。自分の中国語力に自信のある方は、どんどんチャレンジして中国の若手起業家と交流することで、新しいビジネスを開拓することもできるでしょう。
さいごに
今現在も、中国語ができなくても雇ってもらえる会社はあります。しかし、業務内容などは日本人相手のことが多いですので、せっかく中国に来たのに、日本人を相手にするのはもったいないと感じる方は、やはり中国語を学ぶ必要があります。
現地で仕事の合間に、中国語を学び、転職に生かそうという若い方もおられます。もし中国語ができれば、それだけで多くのビジネスチャンスが待っていますので、HSKを受けて語学力を上げていくことを目標にすると良いです。
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