今では海外就職は、チャンスさえあれば誰でも挑戦することができるものです。しかし、海外就職と一口に言っても、様々な業界や職種がありますし、就労ビザの降りやすい国とそうでない国があります。
特にアジアの国々は、近年海外就職をしたい人が注目する場です。人件費も日本より格段に安いので、製造業を中心に進出していますが、今では多種多様な業界が参入しています。
海外就職が初めての方は、欧米よりもアジアの国々での方が就労しやすいですが、その中でも狙い目の国や特徴などを紹介したいと思います。
まずは要チェック!学歴フィルターや移民規制の実情を知る
タイやフィリピンは比較的ビザが取りやすい!
学歴や実務経験があまり問われない国で、なおかつ日本人が多く働いている国が、タイやフィリピンです。
基本的に新卒でも可能ですが、関連する業務に携わっていることや、現地語ができればなお良しという具合です。外国人である日本人を雇うためには、現地スタッフを4人以上採用しなければならないという規制はありますが、他の国に比べると入国してから就労ビザへの切り替えが容易です。
タイもフィリピンも、まずはノービザ(実際は観光ビザであり、到着時に査証が発給されます)で入国した後に、就労ビザを申請することになります。
例えばベトナムですと就労ビザを取得するためには、まず日本の大使館もしくや領事館で就労ビザを取得しなければなりません。その際には警察署から発給してもらえる「犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)」を取得し、国内外での犯罪歴がないことを証明しなければなりませんので、手間が掛かります。
自国の治安を守るという観点からは当然の製作ですし、社会主義国家ですので外国人に対する監視は厳しいと言えます。その代わり、夜も見張りの警察が大勢いるのでかなり安全です。
フィリピンやタイでは、主に日系製造業が進出しており、そこと取引する商社や物流会社も多く進出しています。最近ではコールセンターやIT関連の企業も増えています。
給料も、タイでは5万バーツ(約15万円)以上、フィリピンでも最低で5万ペソ(約11万円)以上が基本です。多くの場合、都市部にある大企業ですと、日本円換算で20万円以上が貰えますが、どちらも成果主義ですので、最低英語くらいは喋れないと仕事ができない現状があります。
また、学歴や学校歴は問われなくとも、出身校の卒業証明書を提出しなければならないことはあります。
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シンガポールや香港は日本以上の学歴フィルターがある
シンガポールや香港はかなりの学歴社会です。まず、応募する際に大卒かどうかが前提とされます。シンガポールはさらに、大卒の中でも、その大学が有名大学かどうかを求めてきます。
日本の旧帝国大学や有名難関私立大学卒が求められます。シンガポール開発省の公式サイトより、自分がビザを取れるかどうかチェックできます。
(URL: https://services.mom.gov.sg/sat/satservlet)
とても厳しい条件ですが、逆に言えばこれらをクリアしており、海外でもっと自分のスキルをアップさせたいと思っている方にはチャレンジのしがいがあるでしょう。
香港では実務経験として、先進国で2年以上の実務経験を積んだ実績が求められます。もちろん日本もカウントされます。香港もかなりの成果主義であり、また女性の進出率も日本よりかなり上です。
ベトナムも歴史的な経緯から、若い女性が多く社会進出しています。もしあなたが女性で、リーダーシップを取りたいというタイプの方にはおすすめします。
実務経験がなくても就労可能なインドも穴場
インドは他のアジアの国に比べると、まだまだ日系企業の進出も少なく、在住日本人も駐在員家族がほとんどという状況です。
しかし、これからどんどん経済発展をする余地のある国ですので、日本人の力が必要だと感じている企業は多くあります。基本的に自国民以外の外国人を雇うことは、その国の雇用を外国人に奪われることになります。ですので、日本人を含めた外国人には「その人でしかできない」という理由や、現地の人の4倍ほどのお給料が必要になります。
人口が多く、若者の多いインドでは、これからも製造業やIT関連企業が活躍するはずです。インドに日本人ならではのサービスをもたらせるよう、日本人を採用してくれる中小企業も多くあります。事務系の仕事が多いのも、他のアジアの国と少し違います。
競合も少なく、将来的な伸び率は高いと言えます。また、インドでも大卒の方はほぼ英語が話せますので、ヒンディー語ができなくとも仕事ができます。もちろん、ヒンディー語ができれば、なお仕事の面において有利に働くでしょう。
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さいごに
さまざまな国について紹介してきましたが、ご自身が住みたい国を優先しても良いでしょう。
フィリピンなどは比較的就労ビザが降りやすいですが、治安面で言えばあまり良いとは言えません。手間がかかりますが、ベトナムの方が治安が良く、夜に女性が一人で歩いてもあまり危険ではありません。
しかし、英語が通じるかというと、街中ではあまり通じません。やはり公用語の1つに英語が制定されているフィリピンの方が良いでしょう。シンガポールも同様ですが、ビザ取得は厳し目です。
生活面での自由度などを総合的に見て、働いてみたい国を決めましょう。
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